第3回：「東南アジアにおける日本語教育の研究と実践」

本シンポジウムは、ベトナム国内および東南アジアにおける日本語教育の向上と、日本を含む関係者間のネットワーク強化を目指すものである。なかでも、今後の日本語教育の発展に向けた課題解決を東南アジア各国と日本が連携して取り組むという共通認識を持つ機会となることを目的としている。そのために東南アジアの日本語教育関係者、ならびに日本からの関係者が集まり、東南アジアにおける日本語教育とそれを取り巻く状況についての認識、そして日本国内での教育体制を共有し、さらに親交を深めることで、今後の連携を進めていくための機会としたい。本シンポジウムにおいては、まず、日本語教育における研究の役割を強調し、研究と実践を繋ぐことを取り上げたい。

なお、日系企業の情報およびニーズを充分把握できないという就職環境の不備はベトナムの日本語学習者の課題の１つである。企業の期待と日本語学習者の学習目標がマッチせず、日本語学習者数は急速に増加しているものの、企業の日本語人材の採用ニーズに応えられていないのが現状である。そこで今回のシンポジウムにおいて、「日本語学習者と日系企業とのセミナーも開催される。セミナーを、企業と日本語学習者がお互いのことをより深く理解する機会の一つとしたい。セミナーにおいては、東南アジアの各国の日本語学習者の日系企業への就職意識、日系企業への期待などを明確にする一方、企業の学習者に対する希望、ヨーロッパ系の企業と比較した際の日系企業の特徴なども紹介される。これらの情報は日本語人材を育成している日本語教師にも重要なデータになると思われる。

また、この機会を利用し、東南アジアの学生を対象に、スピーチによる日本語コンテストを開き、グローバル人材の発見および発掘の端緒となることが期待される。